文系数学の学習法とは?選択する場合の注意点や攻略の仕方も解説

受験

文系の進路を選んだ人でも、数学に自信がある場合は「文系数学」について知りたいと考える人がいるかもしれません。この記事では、文系で数学を選択して受験する際のメリットや注意点、勉強法、参考書の選び方について紹介します。文系数学を十分に理解し、数学受験で合格できるようにイメージしてみましょう。

1.文系数学について学ぼう

文系数学の範囲はセンター試験とほぼ同じで、数学1A2Bまでの勉強が必要です。ただ、理系数学とは異なり、範囲だけではなく問題の質も異なります。理系数学は計算量が多く、難易度も高いため、素早い情報処理能力が求められます。しかし、文系数学は発想力を必要とする問題がよく出題されます。どのように計算を楽にするか、無駄な計算を省略する方法を考えることが重要になります。理系数学の人にとっては、文系数学の問題は解きにくいと感じることもあるようです。

文系学部であっても、数学受験者の方が上回っている学部があります。数学に自信がある人は、社会科目ではなく数学を選ぶことをお勧めします。ただし、ケースバイケースであり、必ずしも有利になるわけではありませんが、有利になる可能性が高い場合は選択してみましょう。

2.文系数学のメリット

以下で文系数学のメリットについて詳しく説明します。

2-1. 社会科目より数学の方が難しいケースも

難関大学を除いて、社会科目よりも数学の方が難易度が低い傾向があります。大学の文系数学は、標準的な参考書や教科書の章末問題を習得することで十分に対応できます。難易度が高い問題が出題されることもありますが、大きな差がつくことは少ないです。青チャートを使いこなすことで、満点に近い点数を獲得することができます。

2-2. 社会科目よりも短時間で合格ライン達成も可能

社会科目は暗記が中心で、覚えなければならない内容が多いため、短期間での習得は難しいです。一方、文系数学は、基礎を習得するだけでも、それなりのレベルに達することができます。難易度の高い問題は出題されない上、マークシート形式の問題が多いため、ハードルは低いです。

2-3. 定員数に基づく有利な状況があり得る

大学や学部によって、数学受験とその他の受験科目によって募集人数が異なる場合があります。数学受験の募集人数が多く、受験者が少ない場合、倍率的に優位になる可能性があります。もし志望校がこのような状況に当てはまる場合は、数学受験を検討することをお勧めします。

2-4. 得点調整によって有利な状況になる場合も

数学は社会科目よりも平均点が低くなりやすいという特徴があります。社会科目は勉強時間が不足していてもある程度の点数を取ることができますが、数学は理解が不十分だと極端に低い点数になることがあります。数学の得点は実力が明確に反映されるため、平均点に差が生じ、他の科目との得点調整が実施された結果、数学受験者が有利になる可能性があります。たとえば、社会科目で8割の得点を取った人よりも、数学で5割の得点を取った人の方が調整後の点数が高くなる場合もあります。数学は平均点が低くなりがちなため、他の科目のミスをカバーできる可能性が高まるため、力を入れることをお勧めします。

3.文系数学を選んだ場合のリスク

文系数学を選択することには、メリットばかりでなくリスクもあります。以下にご紹介します。

3-1. 学部の選択肢が限られることがある

文系学部においては、数学受験に対応できる学部が限られることがあります。経済学部や商学部のように、やや理系寄りの文系学部では問題ありませんが、文学部、法学部、教育学部など、より文系に特化した学部では数学受験が制限されることが多くなっています。文系数学を選択する場合は、文学や法学系などは志望学部に入れにくくなります。

また、受験勉強の過程で志望する学部が変わってしまう可能性もあるため、方向転換に柔軟に対応することが大切です。文系学部を幅広く受験したい場合は、文系数学を選択する必要性はなく、自分が将来勉強したい科目にフォーカスを当てることが大切です。つまり、数学が得意だからという理由だけで文系数学を選択するのではなく、自分自身の興味や将来の目標に合わせて、選択することが重要です。

3-2. 理系がライバルになることもある

文系数学を選んだ場合、数学を得意とする理系の受験生と同じ学部を志望することがよくあります。理系の受験生は、数学については文系よりもアドバンテージを持っているため、文系受験生の強力なライバルになる可能性があります。国語で差があまりつかない学部を理系は併願してくることが多いため、文系受験生にとっては不利になります。自分が志望する学部に必要な科目や受験生の特徴を事前に調査し、対策を練ることが大切です。

また、大学受験においては、他の教科との得点調整によって数学が有利になる場合がありますが、センター試験ではそのような調整はありません。センター試験では、地理歴史公民の方が得点しやすい傾向があるため、本来はそちらで高得点を目指すべきです。しかし、文系数学を受験する人も多く、理系受験生に比べるとハードルが高くなります。共通テストの数学は1Aと2Bの2科目あり、時間制限も厳しいため、相当なトレーニングが必要です。文系の主要科目である英語にも時間を割く必要があるため、対策は綿密に立てる必要があります。

4.文系数学の勉強法

この段落では、文系数学の得点アップと受験の有利な進め方についてご紹介します。

4-1. プロセスを覚えて解く方法を身につける

数学の問題には常に解法のパターンが存在します。このパターンを理解することが問題を解く上で重要です。しかし、ただ答えを覚えるのではなく、答えを導くプロセスを学ぶことが大切です。習得したプロセスが増えるにつれて、解ける問題の範囲も広がっていきます。受験で出題される問題は初めて見るようなものが多いかもしれませんが、解き方のパターンを使って考えることで、何とか解ける場合がほとんどです。数学の基礎をしっかり固めることが、最も重要なことです。数学が得意な人でも、パターンを知らなければ解けない問題があります。そのため、パターンの習得は大事なことです。

高校3年生になったら、基礎固めを開始することをおすすめします。なるべく夏前までに完了するようにしましょう。遅れると、問題演習に十分な時間が確保できない恐れがあります。この段階では、パターンを覚えることが重要です。もし5分以上悩んでも分からなければ、答えを見ても大丈夫です。頭だけで考えるのではなく、手を動かすことで理解が深まります。しかし、解き方のパターンは数が多いため、時間が経つと忘れがちになります。マスターした内容でも定期的に復習しましょう。

4-2. 問題解決に覚えたプロセスを使う

基礎的な問題解決のプロセスを習得したら、そのプロセスを使いこなすために練習をします。自分で考えて解くことに重点を置いた勉強法に移行しましょう。この段階では、複合的な問題解決のための解法にも挑戦していきます。問題集を繰り返し解くことがオーソドックスで効果的です。もし志望校の偏差値が高いなら、問題集の難易度も上げていきましょう。基礎を習得したつもりでも、最初は思ったより問題が解けないかもしれませんが、失望する必要はありません。時間をかけて練習すれば、やがて問題が解けるようになります。演習を繰り返すことでプロセスを習熟し、間違えたり理解できなかった問題については解説をよく確認するようにしましょう。

問題演習の適切な期間は夏から11月頃までです。記憶したプロセスをアウトプットするためのトレーニングなので、分からない問題が出ても、すぐに答えを見るのは避けましょう。問題を解くために必要なスキルは既に習得しているはずなので、じっくりと考えることが大切です。解決できない問題があれば、答えを確認して解決方法を復習しましょう。もし基礎的な問題解決スキルが不十分であれば、8月いっぱいまではパターンを覚えることに時間を費やすこともアリです。ただし、共通テストを受ける場合は、9月から問題演習に移行する必要があります。

4-3. 過去問題を解いて力を付ける

プロセスを使いこなす訓練が十分にできたと感じたら、志望校の過去問を解くことに取り組みましょう。過去問題を解く時は、本番の試験を想定して行うことが非常に重要です。時間をしっかり測って問題を解くように心掛けることで、問題を解く時間配分や、効率的に解くための順序などを意識することができます。過去問を解いた後は、理解できなかった問題について復習をしましょう。この段階でも、問題を解くためのプロセスを継続して固めることが必要です。

5.文系数学の参考書・問題集の選び方

この節では、文系数学の参考書や問題集を選ぶ際のポイントについて説明します。

5-1.頻出問題が網羅されたものを選ぶ

文系数学ではよく出る決まった問題パターンが存在し、これを頻出問題と呼びます。問題の見た目は異なっていても、解き方が似たような問題が多数出題されます。そのため、頻出問題を繰り返し解いて、解法を瞬時に思いつけるようにするのが理想的です。問題集を選ぶ際には、過去問から頻出問題をピックアップしている実践的なものを選ぶことが大切です。

5-2.解説が分かりやすいものを選ぶ

文系数学は基本的な内容が中心ですが、難易度の高い問題も存在します。高難易度の問題は、解答を見ても理解できないことがあります。そのため、問題集を選ぶ際には、解説が分かりやすいものを選ぶのがポイントです。ただし、数式がたくさん並んでいる解説の参考書などもあるため、自分に合った解説の仕方であるか確認して参考書や問題集を選ぶことをおすすめします。

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